経営コンサルタントの竹内謙礼の公式ブログ。

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あのお店は、なぜ粗悪品を売っているのにのか?

こんにちは!
いろはの竹内です。

さて、先日、とあるセミナーの懇親会で、
受講者からこんな質問をされました。

「いやー、竹内さん、なんで楽天市場のスイーツって
美味しくないのに、あんなに売れるんですかね?」

おいおい、あんた、
楽天市場のスイーツ全部食べたんかい!

私、よくセミナーで「商品の良さと売上は関係ない」と言っていますが、
だからといって、何も分かっていないのに、
他店舗の商品の不平不満を平気で口走ってしまう人は、
ちょっとガッカリな気持ちになってしまいます。

さらに、共通してそういう経営者、起業家に限って、

口ばかりの人が多い(泣)。

「うちは商品が良いのに売れていなくて、
あそこの店は商品が悪いのに売れている。
さぞかしアコギな商売をしているんだろう」

と、ちょっと悲劇のドラマの主人公的な
ステキなストーリーを作っちゃったりしているケースが、
とても多いんですね。

ということで。
今日は販売する「商品」についてのお話。

「作り手」「売り手」の気持ち

私、セミナーでよく「商品を愛するな!」という言葉を使います!
「商品の売上と商品のクオリティの高さは関係ないんです!」
「商品を愛すると、客観的なキャッチコピーが作れなくなります!」
「良い商品を作るのではなく、売れる商品、伝わる商品を作って下さい!」

などなど、
商品に対して徹底的に距離を置くことが、
私のコンサルティングポリシーとなっています。

でも、ですね。

だからって、あなたの取り扱っている商品を、
全否定しているわけじゃないんです。
せっかく時間をかけて作って、
「お客さんに喜んでもらいたい!」という思いが詰まった商品だからこそ、

一生懸命、売ってあげたいんです!
キレイごとじゃなくて。

だから、売れるために涙を飲んで
「愛情を込めずに、客観的に、お客様の立場を考えて売って下さい」
と、すごい辛口の指導しているんですね。

話はちょっとさかのぼりまして・・・。

私、数年前まで観光牧場に勤めていて、
乳製品を一生懸命売っているスタッフに囲まれて、
ネットショップや実店舗を運営してきました。

毎朝、日が昇る前から牛を飼育するスタッフ
腱鞘炎になるぐらい頑張って乳製品を作るスタッフ
ポップや呼び込みなどをして一生懸命商品を販売するスタッフ

これらの苦労を毎日毎日、目の当たりにしていて、
その中で、なーーーんにも特技もない自分が、
「何か仲間の仕事のお手伝いができるこはないか?」と考えて、
行き着いた販売方法が、たまたま「ネットショップ」という、
販促ツールだっただけなんですね。

だから、私は、
会社が「商品」を作る時の苦労というのをメチャメチャ知っています。
ひとつの商品を作る時、ひとつの商品を仕入れる時に、
どんな苦労があって、どんな悩みがあって、
それをひとつひとつクリアして、それでやっとのことで販売しているのが、
分かっているからこそ、

「俺は売らなきゃいけないんだ!」

という気持ちになって、心を鬼にして、商品に距離を置いて、
客観的に、お客様の立場を考えた販促活動をやってこれたんだと思います。

だから!

どんな商品であろうと、
「あそこの商品はダメなのに、何で売れているんですかね?」
って質問は、
あまりにも、その苦労を知っている分、

自分にとったら、悲しい発言になってしまうんです。

「あんたにとったらダメな商品かもしれないけど、
その商品を求めている人だってたくさんいるんだよ!
その商品が完成するまで、どんな苦労があったか知ってるの?
なぜ、その苦労も知らないのにそんな発言が平気で言えちゃうの?
それに、あんた、その店の商品買った時あるの?
手元に置いて確認したときあるの?
あと、そもそも、その人気店舗並みに、あなたの商売、成功しているの?
売れてなかったら、そういうこと言う権利ないよ。売っている人に失礼だよ」

と、ちょっと感情的に話したくなっちゃいます。
それだけ「作り手」「売り手」の苦労を、
コンサルタントとして見てきているから、
擁護的な立場になっちゃうんでしょうね。

あ、こういう感情が入っちゃうから、
たまに諦めの悪いコンサルティングをしちゃうんですけど(笑)。

先述した、楽天市場のスイーツだって、
やっぱりパテシエが自信を持って作っているだけあって、
とっても美味しいですよ。ええ。
私もよく買っていますが、そんなにハズレを引くことはないですよね。

ただ、たまたま、その「マズイ」といった人が
1個か2個買ったスイーツだけで、
「楽天市場のスイーツは全部おいしくない」と判断するのは、
そりゃ、ちょっとオカシなマーケティングになっちゃいますよね。
主観が入りすぎだし、まったく参考にはならない。

それに、「この商品は粗悪品なのに、なぜ売れるのか?」という発想は、
そもそもが「良い商品だったら売れる」って発想だから、
いつまでたっても、その売れている店舗のノウハウは見抜けませんよ。

さらに第三者の「作り手」と「売り手」の気持ちも分かっていない発言だから、
お客様の気持ちなんてなおさら分かるわけがない。

そもそも「粗悪品だ」という先入観で判断しちゃっているから、
もう何をアドバイスしても無駄な状態ですよね。
おそらく、その後、そのお店の商品を試しに買ってみても、

「やっぱり粗悪品だ」

広告を使って販売しているとこを目撃しても、

「あー、また騙して売っているのね」

その店のメルマガを読んでも、

「ダメな商品をいつまでメルマガで売るんだか」

って、いつまで経っても、
「粗悪品」という考えが根底があるために、成長できないんです。
肝心なのは「売れた」か「売れないか」なのに・・・。
余計な価値観が一回入っちゃうと、そう簡単には脱することはできない。

すごい難しいことなんですけど……、

やっぱり商品には愛情を込めてはいけないと思います。
客観的に売れなくなっちゃいますし、
良いか悪いか、最大公約数の「客」の立場で判断できなくなっちゃいます。

でも。

「思いっきり、商品に「愛」を込めて売って下さい!」
と、あえてここでは言わせて下さい。
そうしないと、せっかく「愛」をたくさん込めて作った商品と、
それにかかわってきた周りの人達がかわいそうです。

そういう、周りの人達の気持ちが分かっているからこそ、

「どうしても売ってやる!」

という気持ちが働くんだと思います。

うーん、
自分でも今回のメルマガでは
矛盾したこと言っているのは分かっているんですけどね……。

こんな話をすること自体が
客観的な立場を主張するコンサルタントとしては、
失格かもしれないですけど。

編集後記

最近、従業員さんからの愚痴をよく聞きます。
「竹内さん、今の仕事より割りのいい仕事なんて、
世の中いくらでもあるんですよ! でも私、我慢しているんです」

はいはい。
ネットショップに限らず、
会社に働かされている従業員のみなさんは、
いつもそう思っていると思います。

でも、私の経験から言わせてもらえれば、

仕事で「割りがいい」ものはありません。

ええ。
どんなにラクそうな仕事に転職したって、
絶対にその仕事ならではの苦労があるし、
起業したって、収入とリスクのバランスを考えれば、
「サラリーマンのほうがよかった」という仕事が、
たーーーくさんあります。

「割りのいい仕事」なんてないと思って下さい。

おそらく、9:00~17:00の事務的な仕事をしたって、
毎日が楽しくないと思いますし、
仕事に意欲のない人間が集まっている可能性も考えられるので、
それなりに気苦労もあると思います。

しかし、かといって残業ばかりの仕事でも、
やっぱり精神的にも肉体的にも辛いし、
そういう仕事がハードな職場って、
対人関係がメチャメチャなケースが多いですからね。

だから「割のいい仕事」っていうのは、
きっと世の中に存在していないんですよ。
人からお金をもらうわけですから、

「割がいい」はずなんて、高い確率であるわけないんです。

先日もどこかの経営者に、
「竹内さん、今の仕事って楽しいですか?」
なーんて聞かれましたが、

仕事ってそもそも「楽しい」とか「楽しくない」とかの、
基準ではかるもんじゃないと思いますよ。

「やるか」「やらないか」
「できるか」「できないか」

もっとシンプルなもんであって、
「楽しい」という感情が入るもんじゃないと思います。

「仕事を楽しめ!」

なーんて、言う経営者やコンサルタントがいますが、
そりゃ、あんたの仕事が楽しいだけであって、
ふつーの人はだいたいが仕事なんて楽しめないって!(笑)。

まぁ、「仕事が楽しい」と思っていた方が、
自分への慰めにはなりますからね。
自己暗示としては「仕事を楽しめ」という言葉は悪くないと思います。

でも、「楽しい」という基準で仕事を考えちゃうと、
いつまでも「自分探し」の旅になっちゃいますからね。
そういう感覚をずっと持っているいると、

都合の良いコンサルタント会社や、
自己啓発セミナーの会社のカモにされるだけですよ。

商売って、
実はもっともっとシンプルでカンタンなものだと私は思いますよ。

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楽天市場等のネットビジネスで
多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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