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「なんとなく消費」で消える店、残る店

こんにちは。いろはの竹内です。

 

先日、そろそろ寝ようかと思った時、

次女が震える声で「お、お父しゃん・・・」と、

リビングに降りて来たんですね。

 

「どうした?」

「ゴキブリが部屋にいるの」

 

虫嫌いの娘にとって、これは非常事態です。

 

早速、殺虫剤と丸めた新聞紙を持って行くと、

部屋の真ん中に黒いヘアゴムがポツンと落ちているんですね。

 

「早くやっつけて!」

「これを?」

「そう! 早くぶっ殺して!」

 

なるほど。

 

どうやら寝る時にコンタクトレンズを外して、

周囲がぼんやり見えてしまっているせいか、

黒いヘアゴムとゴキブリを見誤っているようです。

 

これは面白くなりそうです。

 

早速、「よーし!」とバンバンと新聞紙で叩いた後、

ヘアゴムを手でつかみ、

 

パクッと口にくわえてみせたんですね。

 

「ぎゃああああああああああああああ!」

「あはははっ、冗談だよ」

「ぎゃああああああああああああああ!」

「よく見ろよ、ヘアゴムだよ」

「ぎゃああああああああああああああ!」

「落ち着けよ」

「ぎゃああああああああああああああ!」

「・・・おい、ちょっと」

「やだぁああああああ! 近づかないで!」

「・・・」

「ぎゃあああああああああああああああああ!」

 

と、絶叫しながら1階の母親のところに逃げ込み、

動揺している娘に、改めてヘアゴムであることを説明し、

ちょっとしたイタズラだったことを伝えたんですが、

どうにも怒りが収まらず、

 

かれこれ3日ぐらい口をきいてくれていません。

 

やれやれ。

 

むずしい年ごろです(そういう問題ではない)

 

ということで、本日のメルマガは、

こちらの文春オンラインに寄稿した鬼怒川温泉の話からひとつ。

 

【現地取材】文春オンライン寄稿
『鬼怒川温泉の“廃墟群”はなぜ生まれたのか?』
https://bunshun.jp/articles/-/55566

ぜひ、記事を一読してから

メルマガを読み進めてもらえればと思います。

「なんとなく」消費

取材したホテルの経営者さん曰く、

バブル期に鬼怒川温泉に団体客が押し寄せてきたのは、

 

「なんとなく」だったそうです。

 

「なんとなく」東京から近くて、

「なんとなく」温泉街があって、

「なんとなく」みんなが行くから、

 

結局、「なんとなく」で“社員旅行は鬼怒川温泉”となって、

団体客でおおいに温泉街は賑わったそうなんです。

 

しかし、数年後にバブルが崩壊し、団体客から個人客にトレンドが代わり、

国内旅行から海外旅行に消費がシフトしたことによって、

「なんとなく」のお客が、「なんとなく」国内の温泉に旅行に行かなくなり、

気が付けば、お客はすっかり鬼怒川温泉から離れていってしまったんです。

 

つまり、購入動機が曖昧な「なんとなく」というのは、

消費をするうえで、最も不安定な買わせ方であり、

売り手側にとっても「売れている理由」が掴みづらいために、

対策が取りにくく、こういうパターンで一度売上が落ちてしまうと、

コンサルタントとしても、回復策が非常に講じずらいところがあるんです。

 

いいですか?

 

実はこの「なんとなく」という消費の流れは、

コロナ禍前までも、私たちの生活の中に浸透していました。

 

「なんとなく」週に一回外食をする。

「なんとなく」ネットで買い物をする。

「なんとなく」年末に旅行に行く。

 

景気が低迷していたとはいえ、生活習慣は大きく変わらないわけですから、

この「なんとなく」というのは、いわば“クセ”のような状態になって、

私たちの生活にどっぷりと浸透していたんですね。

 

これがコロナで生活のパターンが大きく代わり、

今まで“クセ”のような消費はストップせざるをえなくなり、

さらに空白期間が2年半にも及んでしまったことで、

「なんとなく」の買い物も、「クセ」のように消費習慣も、

 

全てはリセットされて、“お初”になってしまったんです。

 

こうなってくると、簡単には今までのお客は戻ってきませんし、

そこに物価高騰の波が押し寄せてきているわけですから、

コロナ禍前の売上に戻るなんて、

 

夢のまた夢になってしまうわけです。

 

つまり、コロナが収束すれば「消費は元に戻る」のではなく、

積み上げたものはすべてリセットされて、

むしろマイナスからのスタートとなって、

もう一度、お客との関係性を築いていかなくてはいけないのが、

コロナ収束後のビジネスの現実なんだと思います。

 

さてさて。

 

みなさんの会社は、コロナ禍前の売上まで戻ってきましたか?

それとも、コロナ禍前よりも業績は下がっていますか?

 

下がっているのは、物価高騰のせいでもなく、

ネットショップにお客が取られたわけでもなく、

ただ単に、みなさんのお店で商品を購入していた理由が、

「なんとなく」という曖昧な動機だっただけなんだと思います。

 

腹をくくって、もう一度、ゼロから起業したつもりで、

ビジネスモデルを再構築していく覚悟がなければ、

これからの消費の厳しい時代に生き残ることは難しくなると思いますよ。

 

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編集後記

「分からないことを人に聴く」というのは、

思いのほか、高い技術が必要だったりします。

 

分かろうとするための理解する力が必要ですし、

答えを引き出すための質問力も必要ですし、

何より高いコミュニケーション能力がなければ、

分からないことを人に聴くのは、

非常に難しいアクションだったりします。

 

一方、分からないことを人に聴く技術を身につけることができれば、

他人の知識を自分のモノにすることができるわけですから、

無敵の情報とスキルを手に入れることが可能になります。

 

そう考えると、商売で大切なことは、頭の良さや機転の良さよりも、

「分からないことを人に聴く」という、

情報収集能力の高さなのかもしれませんね。

 

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楽天市場等のネットビジネスで
多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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