経営コンサルタントの竹内謙礼の公式ブログ。

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「モノ」ではなく「コト」で感動させる方法

こんにちは! いろはの竹内です!

以前にもメルマガで少し書いたことがあるんですが、
我が家では「プリンちゃん」という
トイプードルのオスを一匹飼っております。

で、先日、取引先の社員さんと、たまたまペットの話になった時、
「なんて名前のワンちゃんですか?」と質問されたので、

「柔らかい食べ物みたいな名前をつけちゃったんですよ」

と、笑いながら答えたところ、

「えっ、ゼラチンですか?」

と真顔で私に聞いてきたときには、
履いていたスリッパで「なわけねーだろ」と言って、
おでこをペシッとひっぱたきそうになりました。

そもそも、「ゼラチン」って名前、犬につけねーだろ!

「はい、ゼラチン、お手!」

「ゼラチン、お座り!」

「ゼラチン、散歩いくぞー」

ん? 一周回ってアリの名前か?

と、頭が混乱している中で書かせていただく、本日のメルマガのネタは、
“コト消費の大間違い”についてお話させていただきます。

「モノを売るより、コトを売りなさい」って、
実は、そんなに簡単なことではないんですよ。

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モノを売らずに、人を感動させることはできるのか?

「本を書く」という行為は、非常につらい作業になります。

特にストーリー仕立ての「ビジネス書小説」になると、
肉体的にも精神的にも、一般的なビジネス書の2倍ぐらいの
辛い作業となります。

ざっと完成までのプロセスを紹介すると……。

まず、当たり前ですけど、
最初に編集者さんと一緒に、本の企画を考えますよね。

で、そのあと、専門家や共著者の取材を行い、
さらに知識を深めるために、大型書店にいって、

5万円分ぐらいの書籍を買いあさって、1週間ぐらいで、一気に読み上げます。

で、情報がまとまってきたら、
今度はストーリーとノウハウを組み合わせながら、
主人公や、周辺の登場人物、時代背景などのキャラ付けを行っていきます。

そうなると「あ、これも取材しなきゃ」「あれも調べなきゃ」という、
追加のテーマが出てきますので、そこからまたさらに、追加取材をしたり、
本を買ってきたりして、話を掘り下げていきます。

そして、ここまで全部揃ったところで、
次にストーリーの骨組みを書き始める作業を行います。

だいたいこれが、原稿用紙換算して30枚ぐらいでしょうか。

話の書き始めから、各章のシーン展開、会話の内容などを、
ばーっと一気に書いてしまうんです。

そして、修正点や矛盾点、話のオチなんかをチェックして、
「よし、これで行ける!」と思ってから、
ようやく、原稿執筆に入ることができるのです。

ええ、やっとここで、スタートラインですよ。
そして、ここから、原稿用紙に換算して、

約500枚ぐらいの文章量を書き始めるわけです。

500枚……自分で言うのもなんですが、とんでもない量ですよね。

ぶっちゃけた話、最初の1ページの1行目なんて、
めちゃくちゃテンション下がりますよね。

書きたくないったら、ありゃしない!

「こんなの、終わるはずがない!」と思いながら、
いつもブルーな気持ちで書き始めていますよ。

だから、本を書き始めるときは、ワクワクしているはずもなく、
刑務所に入る前日みたいな心境で書き始めるわけです(入ったことはありませんが)。

しかも、パソコンの画面は真っ白なワードの画面しかなく、
主人公も、敵キャラも、ビジネスノウハウも、時代背景も、
なーんにもない状況ですから、

自分が、その世界観にまったく入り込んでいない状況なんです。

そんな真っ白な世界に、感情を移入しながら書くことなんて、
「絶対無理だ!」と思いながら、
せっせと第一章から、書き始めるわけです。

一文字一文字、
一行一行、
一ページ一ページと、

着々と言葉を積み重ね続けて、
ストーリー本だと、だいたい15日ぐらいで書き上げます。

もちろん、最近は忙しいので、まとまって書くことができなくなりましたが、
期間でいうと、だいたい2カ月で書き上げるようなイメージです。

で、この2カ月が、まぁ地獄絵図のような期間なんですよ。

まさに服役中の身ですよ(服役したことはありませんが)。

食事をしている時も、仕事をしている時も、
寝る直前の時も、風呂に入っている時も、

常にストーリーが頭の中でうごめいたいますから、
ずーっと、「考える」という状況が続くんです。

しかも、僕の場合、ストレスが体に出やすいので、
頭部に湿疹が出たり、痔になったり、胃が痛くなったり、
本当に、身を削りながら、本を書くような状況が2ヶ月間続きます。

でも、そんな辛い中でも、
言葉を重ねていくうちに、本当に少しずつ少しずつ、
ゆっくりとストーリーが動きだして、

主人公に感情移入して、自分が小説の世界に入り込んでいって、
気が付けば、話の中で、一緒に悩んで、笑って、考えて、泣いて、怒って、
感情を共にするような状況に、じわじわとなっていくんです。

これがおそらく、小説家の大先生たちが言う、

「筆が乗ってくる」

という状況なんだと思います。

そして、クライマックスのシーンになってくると、
完全に主人公に憑依してしまって、一緒になって盛り上がっている状況になります。

食事をしなくても、寝なくても、
ずーーーーっとひたすら書き続けることができるようになります。

で、最後のシーンを書くときになると、
「あー、もう終わるんだなぁ」と思って、急に寂しくなってしまい、

あれほど、書くのが嫌だったはずなのに、
いつの間にか、主人公も、ストーリーも、すべての登場人物も、
大好きで大好きで、しょうがなくなってしまっているんです。

で、なぜ、今さら、

こんな小説の書き方教室みたいな話をしたかというと、

お客さんにモノを与えず、空想のストーリーだけで心を動かすということは、
ものすごい労力と、時間が必要だということを
理解していただきたかったからなんですね。

思いついたように、適当に商品の開発ストーリーを書いて、
職人や売り手の写真を、カッコよく撮影して、
デザイナーにキレイにレイアウトしてもらっただけで、

いきなり、心を持った消費者という人間が、
その商品や店を、大好きになるわけがないんです。

先ほどの本の執筆の話に例えると、
取材も何もせずに、いきなり5ページぐらいの文章を書いて、

「感動してください」「欲しいと思ってください」と、
言っているようなものですよ。

そんな浅はかなコンテンツは、すぐにお客さんに見破られてしまいますし、
そんな短くて適当に作ったコンテンツでは、
感情移入させることは、難しいというレベルではなく、

不可能なんです。

いいですか?

最近、モノ売りの時代が終わり、
コト消費の時代だと良く言われていますが、

みなさん、本当に「コト消費」の難しさを理解していますか?

「コト」に価値を見出すということは、
お客さんの手元に、モノを与えずに、感動させることです。

つまり、映画やテレビ、小説や写真のような表現の世界に、
やっていることは近いんですね。

だから、お客さんに表現だけで感動してもらうためには、
それなりに、手の込んだ仕掛けはしなくてはいけないし、
説得するのに時間はかかるし、

自分自身も感動できない作品で、人を感動させることなどできるはずがないのです。

しかし、この「コト消費」の原理原則が分かっていない人は、

誰かが作ったコト消費のコンテンツを丸パクリするだけだったり、
感動も何もない、ありきたりな体験イベントを開催したり、

経営者の自己満足の、読みずらいポップを店頭に張り付けたりして、
満足しているだけで終わってしまうのです。

さてさて。

みなさんの会社で「コト消費」は、どのような取り組みをしていますか?

何か体験させれば、それがコト消費だと思ったら、とんでもない大間違いですよ。

人が感動するのは、「コト」に対してではなく、
「心」だということを、忘れないでください。

そして、「心」を動かすためには、

自分が「心」を込めて、魂を削って作ったものでなければ、
人の心を動かすことはできないということを、
肝に銘じる必要はあるんだと思いますよ。

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編集後記

で、先述した、ビジネス書小説の書き方の続きなんですが……。

一度書きあがった作品は、再び一週間ぐらいかけて、
内容や誤字のチェックを行ってから、出版社に入稿します。

そして、校正や編集者の直しが入った本番前の原稿が戻ってきて、
それを多い時で3回ぐらい読み直しを行います。

このような壮大なプロセスを経て、ようやく著書が完成して、
発売日に書店に並び、新聞広告も打ってもらって、
編集者からの連絡が入ったかと思えば、

「竹内センセー、今回の本、売れませんねー」
と言われると、
へなへなへな~と、地面に倒れ込んでしまうわけです。

しかも、早いと1週間ぐらいで結果が出ますからね。

約半年かけて作り上げた作品が、あっという間に闇に葬り去られてしまい、
早い時で、1ヶ月ぐらいで書店から姿を消してしまうこともありますから、

本当に「コト消費」の仕事は、博打要素が大きいところがあります。

そんな刹那的なことを、
私はかれこれ14年かけて、50冊もやってきました。

人の心を動かす仕事は、当たり外れが多いわけですから、
確率が低い分、数をこなしていくしか対処の方法はありません。

自分が作ったものが、

売れなくても、
失敗しても、
人から否定されても、

それでも、歯を食いしばってこの苦行に耐え続けなければ、
人を感動させる、良いコンテンツに出会うことはできません。

コト消費に携わる人は、最後の最後まで、
この辛さから、逃げてはいけないんだと思いますよ。

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楽天市場等のネットビジネスで
多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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