経営コンサルタントの竹内謙礼の公式ブログ。

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斜陽産業で商売している人の生き残り術

こんにちは!
経営コンサルタントの竹内です!

さて、メルマガ等で以前から言っていたことなんですが、

私、12月の下旬に新しい事務所に引っ越すことになったんですね。
(只今、内装工事中)

で、今度はビルの3階に引っ越すんですが、
なんと、そのビルの1階は本屋さんなんです!

「本の著者が引っ越してくると、サインとかせがまれちゃうのかなぁ♪」
と、ちょっと有名人気取りで本屋に乗り込んだんですが、

46冊も本を出しているにも関わらず、その書店に置かれている私の著書は、

ゼロ。

ええ、フルシカト状態です。

だから、引っ越しの挨拶の時に、その書店のオヤジさんに、
「職業は何をされているんですか?」と聞かれた際に、

「本を書いています!」

と力強く答えたところ。

「またぁ~、キミ、面白いこと言うね」
と、ただの虚言癖の危ない中年男というジャッジで終わってしまいました。

書店のオヤジ! 今に見ていろよ!
来年こそ、直木賞とってやるからな!(→虚言癖)

ということで。
本日のメルマガは「戦略の高度化」について、

面白い商売の話をひとつ。

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アートの世界

先日、面白いブログ記事を見つけました。

『80万部が11万部になった「cancam」売れない雑誌の共通点とは?』
http://toriaezutori.com/marketing/658.html

要約すると、売れなくなった雑誌には、次の3パターンがあるそうです。

1【インフルエンサー(モデルや読モ)が主体になっているギャル誌】

→ギャルモデル自身がSNSで情報発信してしまい、雑誌の価値がなくなった。
廃刊例)「エッグ」「BLENDA」「EDGE STYLE」

2【情報単位で流通できる内容となっている情報誌】

→口コミサイトに押されて、情報誌の価値がなくなった。
廃刊例)「ぴあ」「東京ウォーカー」

3【20代前半~後半向けのファッション誌】

→ファストファッションの台頭で、雑誌がなくても服が着こなせるようになった。
→ファッションアプリの登場で、雑誌がいらなくなった。
廃刊例)cancam、MORE

と、こんな感じで、雑誌が衰退していった背景を、分かりやすく解説しています。

特にエビちゃんや押切もえが看板娘だったcancamは、
2006年に80万部に迫る発行部数だったんですが、
今では11万5000部という、信じられない落ち込みを見せています。

でも、ですね。

このブログにも書いているんですが、
マガジンハウスの「Hanako」に関しては、

2009年には9万部だった部数が、
2015年には8万7000部と、あまり部数を減らしていないんですね。

なぜ、減らしていないかというと、
『よりビジュアルを重視して、雑誌を雑貨化する』
というコンセプトで編集していることが要因なんです。

つまり、雑誌を情報を提供するものとして作っているのではなく、
『雑貨のひとつ』として作ることで、生き残りを図ったわけです。

当時の編集長が、
「あー、今の雑誌のスタイルだと潰れるなー」と思って、

単に情報を得るための媒体ではなく、ビジュアルを重視して、
“眺めていて楽しい” “生活空間に置いておきたい” “何度でも触れたい”
そう思わせる『雑誌の雑貨化』の方向性にHanakoをリニューアルしたそうなんです。

雑誌メディアの特性であるストーリー性を重視して、
紙の触感、めくるリズム、所有することで喚起される気分を大事にして、

雑誌という“雑貨”が持つ世界観、所有感でファンの心をつかみ、
出版という斜陽産業の中、生き残ることに成功したのです。

そして、このブログ記事は、最後にドキッという言葉で締めくくられています。

『あるプラットフォームや技術が枯れると、それはアートになる』

例えば、最初の頃、「写真」は人に伝えるための「技術」でした。

しかし、“動画”が登場したことにより、
写真は「アート」の表現へと変わっていきました。

そして、「映画」も最初は楽しい娯楽でしたが、
「テレビ」というものが登場してから、
映画は「娯楽」から「アート」の世界に入り込んでいきました。

このように、あるプラットフォームや技術は枯れ始めると
Hanakoが『本の雑貨』というアーティスティックな世界で
厳しい出版の世界で生き残ったのと同じように、

そこの世界で全盛を極めたものは、アートの世界で生き残っていくしか
方法はないと思ったのです。

いいですか?

これから、ちょっと怖い話をさせて頂きますね。

私は、今、プラットフォームや技術が枯れ始めている媒体は、
インターネットの世界だと思っているんですね。

市場は飽和状態で、たくさんの似たようなサイトが山ほどあって、
動画やSNS、広告やメルマガ等、
もうやりたい放題の飽和気味の「プラットフォーム」になっていると思うんです。

で、これが枯れ始めるとどうなるか?

今、インスタグラムのような、
アートな表現のSNSが主導権を握り始めていますよね?

ゾゾタウンのWEARのようなビジュアル重視のアプリが、
お客さんのハートを鷲掴みにし始めていますよね?

LINEでスタンプを買ったり、
Vineで6秒の動画でメッセージを贈ったり、

実店舗とネットショップの境目がない
ボーダレスな売り方でお客さんのファンを作り、

ショッピングモールの広告やSEOに頼らず、
Facebookを通じて情報を発信してファンを作り、

商品そのものの品質や価格で売るのではなく、

商品の持っている世界観やメッセージで売っていく。

もしかしたら、インターネットの世界は、
もうすでに枯れ始めており、
アートの世界に入り込んでいるのかもしれません。

そうなった場合、私たちはどうすればいいのか?

おそらく、従来の広告やSEOで売っていくやり方や、
楽天で売ったり、Amazonで売ったりする手法では、
通じないのではないかと思います。

なぜなばら、「アート」ですから。

もちろん、日用品や、どこでも売られている商品は、
相変わらず、価格競争や広告費合戦が繰り広げられるとは思います。

でも、小さな会社、小さいお店、ニッチな商品に関しては、
お金を使って、お客さんを集めるのではなく、
コンテンツや表現でお客さんを集めていく時代になっていくのではないかと思います。

そうなると、私たちは、
いろいろな業界の、いろいろな販促手法を、

隅から隅まで調べて、その中で、プラットフォームが「アート」になった場合でも、
売っていく方法を、今の段階から模索していく必要があるんだと思います。

さてさて、あなたの会社のネット戦略は、
プラットフォームがアート化した場合の対策を取っていますか?

いざとなったときに焦らないためにも、
最低限のSNSの最新情報と、
他の業界の販促トレンドは、今のうちから抑えていたほうがいいと思いますよ。

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編集後記

結果論ではあるんですが、私の場合、
ネットと実店舗のコンサルを両方やっておいて良かったなぁと思っています。

実店舗も、専門店だけではなく、
スーパーマーケットや自動車整備工場、寝具店や歯科医院、外食産業など、

様々なカテゴリーの売り方や集客の仕方を学習することで、
いろいろな“売り方”を実践検証できたことは、
私の大きな財産になっているところがあります。

また、ネットの中でも、
楽天だけではなく、Amazonやヤフーショッピング、
さらにはSEOやリスティング広告、

スマホ攻略やFacebook、インスタグラム、
アフィリエイト、ドロップシッピングまで手を広げて、
様々な情報を吸収したことによって、

ネットの販促手法の最新の売り方が即座に理解できるようになったことは、
自分にとって大きな武器になっているところがあります。

しかも、このネットとリアルの販促手法を、
かけ合わせたり、融合させたり、コラボさせたりすることで、

もの凄い大きな販促効果を産ませることもできるようになったことも、
やはり自分が経営コンサルタントとして、
ある一定の信頼を得られている要因のひとつだと思います。

世の中が、これだけボーダレス化しているわけですから、
当然、ノウハウもボーダレス化していく流れになるので、

これからのコンサルタント業界は「専門」というのが、
ちょっと難しくなっていくかもしれません。

結局のところ、

「狭くて深い知識」と「広くて浅い知識」の
どちらが大切かと聞かれれば、僕は迷わず

「広くて深い知識」
と答えるタイプですからね。

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楽天市場等のネットビジネスで
多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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