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2020年の予測評論家・予測コメンテーターの竹内謙礼がお届けする「こうなる2020年」

このブログでは、過去12年間に渡り、予測カレンダーを制作してきた経営コンサルタントの竹内謙礼が、2020年の予想をざっくりとだがさせてもらう。最近では、テレビや雑誌で予測の評論家、コメンテーターとしても活動さえてもらっていることもあるので、より一般の人にも分かりやすく、丁寧に予測ネタを書かせてもらおうと思う。

2020年の予測カレンダーページはコチラ

https://e-iroha.com/calendar2020/sale.html

 2020年の大きな出来事と言えば東京オリンピックである。期間は7月24日から8月9日。国民にとったら楽しみなイベントではあるが、ビジネスに携わる人にとったら、かなり厳しい期間になると覚悟したほうがいい。

 まず、消費者の意識がオリンピックに向いてしまうことで、全体的に「お金を使う」という意識が大きく落ち込んでしまう。過去のオリンピックやワールドカップを見ても、夏のスポーツのイベントがあるシーズンは、全体的に消費が落ち込む傾向が強い。これは、スマホの普及によって、SNSやネットニュースが、スポーツニュース一色になってしまうことが要因として考えられる。モノを買いたいという意識が薄らいでしまうことに加えて、タダで楽しめるコト消費が強まってしまうと、あえてお金を使って楽しむ意識が薄らいでしまうのである。これはゲームアプリが普及することで、モノやサービスへの消費が弱まってしまう現象と非常によく似ている。多くの経済評論家やテレビのコメンテーターが「オリンピックの経済効果は凄い」と言っているが、小売業やサービス業などの一般的なビジネス、特に中小、零細企業においては、東京オリンピックの開催期間中はマイナスの効果のほうが大きいと思ったほうがいい。

 また、オリンピックの開催期間中は猛暑が予想されることや、祝日が移動して7月と8月の連休が増えてしまうことも、消費を大きく落としてしまう要因となっている。ホテルや旅館はちょっとした特需に恵まれるかもしれないが、国民の意識がスポーツに向いてしまう東京オリンピック開催期間中は、ある程度の売上減は覚悟したほうがいいだろう。

 ただし、オリンピック開催期間中、ずっと家でテレビ観戦をしている分、その反動でお盆休み明けぐらいから消費が一気に活性化するという展望もある。そこそこ大きめのセールをオリンピック開催後に持ってきていれば、例年の8月よりは売上が作れる可能性もある。最終的には猛暑か冷夏かによって売上は変わってくるかもしれないが、消費者のオリンピックに対する熱量を細かくチェックして臨機応変な販促を心掛けたいところではある。

 もうひとつの消費に影響を与える出来事と言えば、キャッシュレスが2020年6月末に終了してしまうことである。6月の最終土日(27日・28日)がキャッシュレスの売上がピークに達することが予想されるので、この日に向けて店舗や企業はキャッシュレスのセールを計画しておいたほうがいいだろう。特に6月の第三土曜日の「父の日」は、キャッシュレスを使ってやや高めのギフト品を駆け込み消費する人が急増すると予想。2020年の父の日に関しては、2019年よりも高額品をラインナップさせたほうが得策と言える。

 6月末の時間制限付きのキャッシュレスは、多くの消費のシーンで恩恵をもたらすことになるだろう。ゴールデンウィークにキャッシュレス払いで旅行する人が増えることも考えられるし、2月と3月の新生活シーズンには、大型家電や家具をキャッシュレスで購入する人が増えることが予想される。特に2020年は現在のセンター試験が最後の年になるので浪人せずに大学に進学する人が増える可能性が高い。一人暮らし向けの学生の新生活商品に関しては、キャッシュレスで購入する人が増えることが考えられるので、事前のダイレクトメールや早期のセールで早めに顧客を刈り取ったほうがいいだろう。

 他の2020年の出来事を見ると、12月から2月に移動した天皇誕生日の祝日に注視したい。ただでさえ2月は営業日数が少ないのに、3連休で営業日数が減少してしまうので売上減になることは必至。辛うじて2020年は閏年なので1日だけ日数が増えるが、あいにくの土曜日。2月は早めに売上を作ることに重点を置いて、行動したほうがいいだろう。

 まだ確定とは言い切れないが、注視すべき2020年の出来事は7月1日から試行予定の「容器包装リサイクル法改正」だ。コンビニやスーパーのビニール袋が有料化されることで、一気にエコバックが普及すると予想。お客様の囲い込み目的のお洒落なエコバックが流行することが考えられる。小売業やサービス業は宣伝目的も含めて、早めにオリジナルのエコバックの制作に取りかかったほうがいいだろう。

 もうひとつ、未確定だが注視すべき2020年の出来事は、9月1日から行われることが予定されている「マイナポイント」である。マイナンバーカードと自分が使用しているキャッシュレスを紐づけ、2万円をチャージすると、5000円キャッシュバックが受けられるという還元策。マイナンバーカードの普及と、東京オリンピック後の消費の冷え込みを抑えるための施策として、すでに政府が動き始めている。2020年の年末商戦はマイナンバーカードに注目が集まることが予想されるが、マイナンバーカードの制作には1ヶ月ぐらいかかるので、早めに自分のお店の顧客にはマイナンバーカードを作るように促進したほうがいいだろう。

 2020年の景気に関しては、多くの経済評論家、テレビのコメンテーターが「景気が悪くなる」と予想している。しかし、個人的には、キャッシュレスの影響もあって前半は悪くなく、後半は東京オリンピックによってやや前向きになった消費者の気持ちが景気を後押して、2014年の増税時の年よりも景気は悪くならないと予想している。ただ、消費意欲が減退しているため「これ以上悪くなりようがない」という考えのほうが正確な表現で、落ちるところまで落ちているので、これ以上、激しく消費が落ち込むような事態にはならないのではないかと考える。

 米中貿易摩擦、香港問題、日韓問題等、世界では多くの問題が勃発しているが、そこまで深刻になるほどの状況ではないというのが現状。特に2021年の大統領選で再選を狙うトランプ氏はアメリカの景気を落とすわけにはいかず、大きな景気刺激策を2020年度中に展開するはず。対して中国もアメリカの圧力に屈して景気が悪くなろうものなら、国民の不信感が芽生えてしまうので、否応なしにも中国の景気にテコ入れ策をやるはずだ。2019年と比較して世界経済がめちゃくちゃ良くなるとは思わないが、やや微増、悪くてもトントンというのが大方の予想だ。ただし、イギリスのEU離脱問題だけは別物。先行きが一気に読めなくなるので、この点だけは注視したいところである。

 雇用に関しては、アルバイトやパートの平均時給があがり、さらに中小のサービス業の利益が人件費によって圧迫されることは明らかである。新卒の初任給も上昇している状況を見ると、全体的に企業に勤める下位層の従業員の給与が今後も上がっていく流れを止めることはできないだろう。そうなると、企業としては中間層の給与の上昇にストップをかけない限り、人件費の高騰を食い止めることができないことになる。つまり、企業における30代、40代の給与は今以上に上がりにくくなるため、2020年は転職、離職が高まることが予想される。

 企業にとって経験豊富な中間層は貴重な戦力ではあるので、中小企業は密なコミュニケーションを取って、30代、40代の離職防止に勤めたほうがいいだろう。

 以上、ざっくりではあるが、2020年の消費、経済に関する予想である。詳しくは12月中旬発売の予測カレンダーにて、さらに細かい予測情報を公開しているので、ざひ参考にしてもらいたい。

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あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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