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消費税増税によるキャッシュレス還元が大手2%、中小5%の件を考える

 
消費税増税によるキャッシュレス還元が大手系列2%、中小5%で調整にかかった。
 
 詳しく言うと、還元率は、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、外食など、大手系列のフランチャイズチェーンを2%に抑える一方、チェーンではない中小の店は、11月、安倍首相が表明した5%とする方向で調整しているという。
 これはなかなか難しい話になってくる。
 まず、一番気になるのは楽天市場やヤフーショッピング、Amazonのネットショッピングモール系の扱い。これを「大手系列のフランチャイズチェーン」とするのか。
 ここでフランチャイズという言葉をちょっと振り返ってみると、
 
チェーンストアとは、一つの商店・会社の統制のもとに各地にちらばって、同種あるいは類似の商品を販売する小売店。連鎖店。チェーン店。
 
 この定義を用いて考えると、ネットのショッピングモール系に出店している店舗は微妙な扱いになる。各地には散らばっていないし、扱っている商品は同種ではない。ただ、各地に集まっている店舗は集約しているし、類似の商品は扱っている。この判断は正直現時点では難しい。
 ただ、かなりうがった見方をすれば、ここでネットのショッピングモール系の還元率を2%に抑えることができれば、客が実店舗に流れやすくなり、問題になっている宅配の流通量を抑えることに繋がるかもしれない。地方都市の商店街が疲弊している要因となっているネットショップを抑えることができれば、自民党にとっても自営業の高齢者の票は集めやすくなる。そこまで視野に入れているんだったら、政府はショッピングモール系に出店しているネットショップをチェーン店扱いにして、2%にする可能性は高い。
 仮に楽天市場のお店が2%の還元になった場合、自社サイト、実店舗が5%の還元となるので、客の流れが大きく変わる。受注管理がクソ面倒くさくなるなぁというのはさておき、実店舗や自社サイトは、ショッピングモール系から客を取る絶好のチャンス。対してショッピングモール側も自前のポイントを使って客の流れを阻止してくる販促を仕掛けてくることも考えられる。
 ただ、イオンなどのリアルなショッピングモールに出店しているお店はどうなるのか? ここをそれぞれ個別の店舗扱いとするのならば5%、いやいやチェーン扱いだよね、というならば楽天市場やYahoo!ショッピングも2%扱いになるはず。もっと言ってしまえば、家電メーカーや寝具メーカーの商品を取り扱っているお店を「チェーン」と判断するのか、それとも個店と判断するのか、その点も気になるところ。
 
 そこまで考えると、混乱を防ぐために「ガソリンスタンド、コンビニ、外食のチェーン店は2%、それ以外は5%。以上」と、業種をほぼ断言して言い切ることも考えられる。あまりにも「チェーン店」という言葉が漠然としているので、思い切って企業名を指定してくることも考えられる。 
 これはあくまで個人的な感想だが、今回の5%、2%の分け方を見て思ったのは、「すでにキャッシュレス化が進んでいる店は2%、そうでない店は5%」という分け方をしたようにも思える。そうなると、ワオンでの支払いが多いイオンのような大型ショッピングモールと、クレジットカード決済が多いモール系のネットショップは2%にする可能性は否定できない。政府はキャッシュレス化を進めるうえで、すでにキャッシュレス化をすすめている会社に対して還元するのはもったいないわけであって、そうなれば、キャッシュレス化が進んでいるイオンなどのショッピングモールと楽天やAmazonが狙い撃ちされて2%、キャッシュレス化が進んでいないそれ以外の自営店舗を5%にしてしまいましょうと言い出す可能性はゼロとは言い切れない。特に地方都市の小さなお店はキャッシュレス化を進めることで恩恵を受ける可能性があるので、「うちの店なんかキャッシュレス化しても意味ないでしょ」という店になればなるほど、キャッシュレス化はやったほうがいいということになる。
 どちらにせよ、現時点で、ここの判断は非常に難しいので情報収集はしっかりおこなっていたほうがいい。
 
 ひとつ流れとして確実に言えるのは、コンビニが2%になると、スーパーは5%の可能性が高い。客はさらにコンビニ離れを引き起こして、軽減税率も後押しするのでスーパーはかなりブレイクするだろう。ただ、この話もどこまでを「大手」として、どこまでを「チェーン展開」とするのか、その点でまた判断が難しくなる。ただ、地域密着型のスーパーは、これで確実にキャッシュレス対応から逃れられなくなったことは間違いない。各店舗においての混乱は必至。事前準備をしっかりしたところが勝ち残るだろう。
 
 今回、2019年度の予測カレンダーを制作しながら、「たぶん、満額5%還元は無理だな」とは思っていた。ただ、「小売業とそれ以外」という区切り方を想定していたので、このチェーン店による分け方をしてしまうのはなかなかの想定外。 だけど、代わりにいろいろ見えてきたのが、今回の5%と2%の還元で、国の見積もった予算にはかなりの限界があるというのが分かった。「安倍さん、5%はやりすぎっすよ」と官僚たちが頭を抱えた結果、こんな苦肉の策が出てきたのだろう。そう考えると、東京オリンピックまでの限定措置であったキャッシュレス5%&2%の還元策は、延長される可能性が低い。ない袖は振れないんだから。東京オリンピック明けにキャッシュレスのメリットがなくなり、一気に2020年の夏以降は消費が低迷することが予想される。
 
 まだまだ書き足りないところが多々あるが、とりあえず消費税とキャッシュレスの関係性をちゃんと理解しないと、かなり混乱するのは確実。今回はキャッシュレス5%を想定して2019年の予測カレンダーを制作しているが、十分、来年度の対策の基礎知識は学べる内容になっているので、参考にしてもらいたい。
 
■消費税増税とキャッシュレス対策をまとめた2019年予測カレンダー
 
 
 

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楽天市場等のネットビジネスで
多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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