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大塚家具は何を間違ったのか?

こんにちは。いろはの竹内です。

先日、長女が南アフリカの留学先(正確には旅先)から

無事、帰国しました。

成田空港で出迎える父。

短期間の別れでしたが、それなりに父子の感動の再開です。

「南アフリカはどうだった?」

「治安悪かったよ」

「え?」

「ご飯もあんまり美味しくないし」

「・・・ほー。それはそれは」

「マジで大変だったんだから」

帰国早々、不機嫌な娘。

「・・・あ、あのさぁ」

「なによ」

「ペンギンは?」

「は?」

「ペンギンを見たいんじゃなかったけ?」

「あー、ペンギンね」

「そうペンギン」

「動物園にいたよ」

「へ? どこの?」

「南アフリカに決まってんじゃん」(やや半笑い)

おいおい、動物園にペンギン見に行くんだったら、

上野動物園でいいだろぉ!

わざわざ治安が悪くてメシがまずい国に行って、

それで動物園にペンギン見に行ったなんて、

父ちゃん情けなくて涙出てくらぁー!(あばれはっちゃく風)

と、そんな怒りを心に秘めながらも、

「食べたいものはあるか? 寿司か? 焼き肉か?」と娘に聞くと、

マリーアントワネットも顔負けの風格で

「寿司♪」

とおっしゃったので、父は「御意」と答えて、

帰国早々に成田空港のレストラン街で散在させて頂きました。

やれやれ、本当に参りましたよ(お前の親バカぶりにな)。

ということで。

本日のメルマガは、今、ヤバいよヤバいよと言われている

大塚家具の話をさせて頂ければと思います。

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何が間違っていたのか?

仕事で大塚家具の原稿を書かなくてはいけなくなり、

過去の決算書を集めて情報収集しているんですが、

一つ分かったことは、現社長の大塚久美子社長は、

そんなにしくじった経営をしたわけではなかったんだな、

という事実なんですね。

前社長の大塚勝久社長の時代から売上は落ちており、

そこそこジリ貧の状態で久美子社長にバトンタッチしたわけですか ら、

もう売り上げ回復の選択肢としては

「一発勝負」に出るしか方法がなかったわけです。

で、久美子社長は4つの戦略を打ち立てました。

1・専門店・小型店による多店舗経営

2・プロフェッショナルによる提案サービスを前面に

3・商品とサービスのオムニチャネル化

4・購入だけではない新しい選択のご提供(レンタル・中古品販売 等)

このように既存のビジネスモデルをぶっ壊して、

ゼロからの勝負に打って出ることになったんですね。

ちなみに、私が久美子社長の立場だったら、

同じ戦略を取っていたと思います。

そもそも赤字経営に陥ったのは

人件費がかかりすぎる従来のビジネスモデルが問題だったわけであ り、

勝久社長の経営スタイルを続行すること自体が無理だったんです。

だから、久美子社長は会社に体力があるうちに、

大きくビジネスモデルを転換させて大勝負に打って出たわけであり 、

ハイリスクハイリターンを取りに行った経営者の判断としては

そんなに的外れな手法ではなかったと思うんですね。

でも、結果的に大勝負は裏目に出て大赤字に転落。

今では身売りの話が出るほど苦しい状況に追い込まれています。

では、一体、久美子社長は何を間違ったのか?

誤解を恐れずに言わせていただければ、私は久美子社長自身に、

ネットビジネスに対する

知識と経験の不足が原因だったのではないかと思っています。

ちょっと順を追って解説しますと・・・。

まず、売上げを伸ばしていくためには、当たり前のことですが、

「客に来てもらう」「客に買ってもらう」

という販促を強化しなければいけません。

そして、その「客に来てもらう」「客に買ってもらう」というのは 、

実店舗を増やすか、ネットで集客、もしくはネットで販売をするか 、

この2パターンしか選択肢がないわけです。

そう考えると会社の体力が限られている状況下においては、

実店舗を全国にバンバン建てていくことはできませんから、

ネット販売やネット集客、ネットを活用した情報発信を強化して、

売上げを伸ばすしか方法はなかったんだと思います。

しかし、残念ながら久美子社長には、

ネット販売の知識はありませんでした。

ご存じの通り、彼女は銀行出身なので、

たぶんヤフオクもやったこともなければ、

リスティング広告の運用もしたことがないし、

ブログのコンテンツ記事を制作する経験もなかったと思います。

つまり、経営者としてネット販促に力を入れたほうがいいと思って も、

うまくいくかどうかを判断する経験材料がないから、

結果、ネットを活用した販促に思い切った投資ができなかったこと が、

4つの戦略を潰してしまった要因になってしまったんです。

いいですか?

人間は未経験のことには、

どうしても臆病になってしまうものなんです。

実店舗しかやったことがない人に対して、

ネット通販をやれといっても、成功するイメージがつかないから、

やっぱりお金や人を投資が中途半端になってしまいます。

これは実店舗やネットだけの話ではありません。

楽天しかやってこなかった人は、

自社サイトやヤフーの運営に力が入らないし、

メルマガやブログしかやってこなかった人が、

インスタを活用した販促ができるわけがないんです。

このようにビジネスにおいての“二刀流”というのは、

実はなかなかうまくいくものではありません。

久美子社長も、

「これからの時代はネットが大事だな」ということは、

頭の中ではとても理解はしていたんだと思います。

でも、自分自身でネットショップを運営したことがないし、

SEO対策もリスティング広告もやったことがないので、

いくら周囲にネットに詳しい社員やコンサルタントがいたとしても 、

成功するイメージが湧いてこないから、

社運を賭けた大勝負にネットを活用することに、

二の足を踏んでしまったんだと思います。

これが、もしですよ。

久美子社長が一橋大学を卒業して銀行に就職するのではなく、

楽天市場に就職したり、どこかのネットショップに転職していたり して、

ネット販促を肌で感じていたら、

ピンチに陥った際にほとんどの予算をネット販促に投資して、

同時に実店舗を縮小して、ネット販売で売上を復活させるという、

V字回復ストーリーが実現していたかもしれません(もちろん結果 論ですが)。

でも、それを成功に導くためには、

経営者本人がネットショップやネット販促を実践して、

成功体験を持つ必要があったんだと思います。

さてさて。

みなさんの会社も、実は大塚家具のように、

大勝負に出ようと思っても、経営者の経験不足で

中途半端な戦略になってしまっているようなことはありませんか?

ネットショップをやったことがない経営者に、

「ネット販売にもっと力を入れましょう」といっても、

それは土台無理な話なんです。

どんなに優秀な人材を集めて、どんなに優秀な商品があったとして も、

それを売るか売らないかを判断するトップの人間が

「そこまでネット販促に投資できないよね」

と疑ってしまった時点で、

もうすでにその会社はゲームオーバーなんだと思います。

人間は自分が想像している以上のことができるほど、

器用ではないですからね。

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編集後記

大塚家具が赤字に転落したのは、

今までネット販促に力を入れてこなかった

先賢の目がない勝久社長に原因があったと私は思っています。

久美子社長が引き継いだ頃には、

従業員は多いし、高給取りだし、

それでいてネットの知識はないし、対面接客しかできないしで、

もうすでに抱えている人材の能力が時代遅れだったこともあって、

仮にお金があったとしても、

新しく始めた事業の売上を伸ばしていくだけの「人」がいなかった ことが

久美子社長の新しい戦略を

台無しにしていまったところがあるんだと思います。

こんなことを言ってしまったら身も蓋もありませんが、

私がもし久美子社長の立場だったら、

会社の状況を冷静に判断して、

「こんな会社、誰も継がねぇよ!」

と捨て台詞を吐いて大塚家から飛び出していたと思います。

だって、社長の父親は1本線が切れているヤバい人だし、

失敗したらボコボコにされることは分かっていたので、

こんな泥船のような会社の船長になることは、

やる前から分かっているようなことだったと思います。

しかし、それを理解した上で、

久美子社長は大塚家具を継いだということは、

使命感や従業員を守りたい気持ちもあったと思いますが、

それ以上に、

「ネットを活用すれば大塚家具はなんとかなるんじゃないか」

という認識の甘さがどこかにあったんだと思います。

ここでもし、1年でもいいから、

久美子社長がヤフオクで中古品を売った経験をしたり、

楽天でネットショップを自ら作って運営した経験があれば、

「やっぱりネットで家具を売るのは大変なのね」

という認識が生まれて、

そこから大塚家具に第二、第三の新しい戦略が生まれて、

運命は大きく変わっていたのかもしれません。

まぁ、全ては結果論になってしまいますけどね。

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楽天市場等のネットビジネスで
多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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