経営コンサルタントの竹内謙礼の公式ブログ。

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特別版/店を潰した理由

こんにちは。いろはの竹内です。

 

予測カレンダーを制作して、今年で13年目になります。

このメルマガを長く読まれている方は、すでにご存じだと思いますが、

 

年に1度の、12月のこの時期だけ、

まったく違うテイストのメルマガを1本配信するのが、

私の守ってる数少ない“決まり事”だったりします。

 

そんなわけで、少し真面目に

「予測」についてのお話をさせて頂きますので、

最後までお付き合いしていただければ幸いです。

 


 

先日、高知市の商工会議所から、

企業の「弱み」と「強み」を分析する

マーケティング関連のセミナーを引き受ける機会がありました。

 

いわゆる『SWOT分析』という手法です。

 

過去にマーケティングの本を執筆した関係もあって、

私にその仕事が回ってきたんですね。

 

で、早速、セミナー用のレジュメを制作することになったんですが、

参加者のみなさんに、マーケティングの事例として紹介できる企業が、

なかなか思いつかなかったんです。

 

大企業の分析結果だと、身近に感じてくれないし、

小さな会社だと、イメージが湧きづらいし。

どっちつかずの事例ばかりになってしまって、

しばらく、いい案が浮かんできませんでした。

 

しかし、「高知」というテーマで考えなおしてみると、

「あっ!」

と素晴らしいアイデアが頭の中に浮かんできました。

 

「父の店を事例で紹介しよう!」

 

実は私の父は高知市内で中華料理屋を40年以上も経営していました。

でも、10年程前にお店を潰してしまいました。

 

バブルの頃は景気も良かったんですが、

次第に時代の流れについていけなくなり、

お客さんも立ち寄らなくなってしまい、売上をどんどん落としていって、

最後は借金を抱えて、店を閉じてしまったんです。

 

その後、父は千葉の実家に戻ってきて、

今はのんびり老後の時間を過ごしています。

でも、当時はコンサルタントの親が店を潰すなんて、

めちゃくちゃカッコ悪いという思いしかなかったので、

恥ずかしくて、人に言うことができませんでした。

 

それから10年。

 

隠したいような過去ではありましたが、

父の店であれば、当時の経営状況もよく覚えているし、

身近な高知市内のお店でもあるので、

マーケティングの事例としては紹介しやすいと思いました。

 

そして何より、ずっと目を背け続けてきた、

店を潰した理由を解明したいという思いがありました。

 

立地が悪かったのか? 客質が悪かったのか?

メニューが悪かったのか? 料金設定が悪かったのか?

商売センスがなかったのか? 借金が多すぎたのか?

 

それを解明したくなって、当時の資料や親類の証言などを聞きながら、

SWOT分析を始めることにしました。

 

まず、分析して最初に気づいたことは、立地の悪さでした。

 

父は昔から、

「はりまや橋の一等地の店」

と口癖のように言っていました。

しかし、地図を照らし合わせたり、土地の価格を調べてみると、

一等地とは言えないぐらい商店街から離れた場所に店はありました

なんでこんなに駅から離れたところに店を構えたんだと、

地図を見ながら呆れてしまいました。

 

次に気づいた点は、集客に対する意識がとても低かったことでした。

 

ただでさえ駅から離れているわけですから、

積極的に地元客や観光客を呼び込まなくてはいけません。

しかし、それらしい集客の戦略をとった形跡はなく、

売上を伸ばそうという意思がまったく感じられませんでした。

 

三つ目の問題は、新しいメニューをほとんど出していない点でした。

 

オープンしてからずっと看板メニューは変わらず。

従業員も雇っていなかったので、マンネリ化を脱することができず、

最後はお客さんに飽きられて、売上をどんどん落としていきました。

他にも、問題は山のようにありました。

 

「弱み」と「強み」を両方出そうとしているのに、

父の店からは「弱み」しか出てきませんでした。

 

そう思いながら、一通り潰れた要因を洗いざらい出して、

原因を究明していったところ、ある結論に達しました。

 

「やる気がない」

 

この一言につきました。

もし、父にやる気があったら、

悪い立地でも、客を集める努力をしたと思うし、

メニューだって新しいものをどんどん開発したと思います。

でも、父はそれができなかった。

 

父は商売に対して「やる気」がなかったんです。

 

「かっこ悪いなぁ」

分析しながら、ため息が漏れてしまいました。

情けない父だと思いました。

やる気がないなら、何をやってもダメです。

経験上、やる気のない人にアドバイスをしても、

実行に移さないので、結果に結びつきません。

父が店を潰したのは必然だと思いました。

 

しかし。

ここで新たな疑問が湧いてきました。

なぜ、父の「やる気」がなくなってしまったのか?

やる気をなくしてしまった原因・・・。

 

しばらく考えていくうちに、その原因が薄っすらと分かってきました。

 

おそらく父は、売上を伸ばすことに対して、

興味がなくなってしまったんだと思います。

 

子供たちはすでに社会人になっていたし、

教育費も生活費もかからなくなっていました。

売上を伸ばしても、伸ばさなくても、どっちでもいい状態だったんです。

 

なぜならば、その店の売上を伸ばしても、

父には「未来」が描けていなかったんですから。

 

「・・・未来」

SWOT分析の「強み」と「弱み」にもう一度目をやりました。

集客に力が入らなくなったのも、

メニューの開発をしなくなったのも、

売上を伸ばそうとしなかったのも、

「お店を継ぐ人がいなかった」という現実に気づきました。

 

もし、息子である私が跡を継いでいたら、

明るい未来を描くことができたと思います。

 

そして、父は集客にも、メニュー開発にも力を入れたと思います。

でも、その「やる気」を削いでしまった要因には、

僕がお店を継がなかったということが、

少なからず影響しているんだという現実に、

自分で分析して、初めて気づくことができました。

 

振り返れば、父は私に一度も、

店を継いで欲しいと言ったことはありませんでした。

 

おそらく、飲食店の仕事が

大変だということが分かっていたからだと思います。

だけど、私はその優しさに甘えてしまって、

一切、父親の仕事には興味を示さず、

挙句の果ては店を潰した時に、なんて商売のセンスがない父親なんだと、

バカにしてしまうありさまでした。

 

でも、紐解いていけば、

父に未来を描かせてあげられなかった、

私にも店を潰した原因は大いにあったと思います。

この結論を出した時に、自分がなんて愚かで、

なんて情けない考えを持っていたんだろうと、恥ずかしくなりました。

 

同時に、家業を継がれた経営者のみなさんの気持ちを、

ようやく理解することができました。

家業を継ぐということは、

自分を育ててくれた親に対して、

明るい未来を見せることなんだと思います。

 

そして、自分の育てた子供と一緒に、

親が明るい未来を見ることなんだと思います。

家の仕事を継ぐということは、未来に気持ちを紡いでいくことなんです。

 

さてさて。

みなさんは、今、明るい未来を描けていますか?

それとも、未来が何も見えずに、

仕事に対してのモチベーションが下がっていますか?

 

私は父に明るい未来が見せられなかった分、

少しでも、自分の仕事を通じて、

明るい未来を、みなさんに見せることができればと思っています。

 

でも、その前に。

久しぶりに実家に帰って、父とたくさん話をしなきゃいけませんね。

高知の美味しいお酒でも買って。

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多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
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