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  • 大学の入学式や成人式に親付いていく理由が、当事者になってようやく分かった件

  つい最近まで「親が子どもの大学の入学式や、成人式にまで出席する」というニュースを見て、私は「マジで世の中、頭のおかしい親が増えてんなぁ」と思っていました。しかし、実際に自分の娘が今年大学生になり、成人式の着物を試着した写真を見て「なんとか娘の入学式と成人式に潜り込む方法はないのか?」と真剣に考えるようになりました。ええ、私もごたぶんに漏れず、頭のおかしい親の予備軍でございます。
 思い返せば、自分の大学の入学式の時には、親は来なかったし、成人式にも当然、来ることはありませんでした。まぁ、私自身が男性であることを加味しても、その状況には納得するところはあるのですが、一昔前までは、大学の入学式も成人式も「もう大人なんだから」という理由で、親はついてくることはありませんでした。だけど、今回、自分が当事者になって、子どもの大学の入学式や成人式に親が付いて行ってしまうのは“甘やかし”や“バカ親”という言葉では、説明し切れないところがあるのではないかと思いました。

 まず、一昔前に比べて、労働環境が整ったことは大きいと思います。親が土日にしっかり休めるようになり、子どものイベントに幼稚園、小学校、中学校と、マメに参加できるようになったことは、親を“子どものイベント好き”にさせた要因のひとつと言えます。また、高度成長期は、働くことと、モノを買うことが生活の中心でしたが、景気が低迷したことで、休暇を家族と過ごしたり、モノよりもコトの消費に使うようになったりしたことで、家族の結束は、一昔前に比べて、より一層、強化されたところはあると思います。さらに、少子化で、子どもの数が少ない状態ですから、一人ひとりの子どもに対する時間のかけ方や接し方が濃密になっていることも、親の「子どもの成長過程のイベントには参加したい」という気持ちを強くさせている要因だと思います。
 つまり、親が子どもを甘やかしているのではなく、生活環境の変化が、親と子どもを離せなくしてしまっているところは大きいのではないかと思うわけです。もし、これが土日に休めなくて子どものイベントにマメに出られなかったり、兄弟が多くて子育てに目が配れなかったり、旅行にも遊びにもぜんぜん連れて行ってあげることができなければ、もっと小さい頃に大人と子どもの境界線ができあがって、子離れがすんなり完了していたんだと思います。しかし、その境界線がないまま高校生ぐらいまで親密な親子関係を引きずってしまったので、結果的に「もうちょっと、子どもの成長を見届けてもいいだろう」というつもりで、大学の入学式や成人式に、ほいほい付いていってしまう親が増えていってしまったんだと思います。そう考えれば、“甘やかし”や“ばか親”になってしまう当事者たちの気持ちは分からんでもありません。もう少し極端な言い方をすれば、世の中の社会構造そのものが、親に対して“甘やかし”の構造になっており、“ばか親”を作り出す構造になっているのではないかという思うところもあるわけです。ええ、この発言そのものが、ばか親そのもので申し訳ないんですが。

 しかし、残念ながら、親はどこかで子離れをしなくてはいけません。先述したように、今の親のほうが、昔の親に比べて、子どものイベントにマメに参加してきた分、そういうイベントに顔を出せなくなることが辛いことは理解できます。しかし、どうしても、ここらへんの年齢で強引にでも距離を置かなければ、ズルズルと親子関係を引きずったままになってしまいます。この機会を逃してしまうと、成人を過ぎてから、親子の距離を置く機会が消失してしまうので、本格的な「子離れできない親」と「親離れできない子」の関係が継続されてしまい、取り返しのつかない状態になってしまう恐れがあります。
 結論としては、「子どもの大学の入学式や成人式に親が付いて行ってしまうことは分かる。でも、やっぱり我慢したほうがいいかもしれないけど、行っちゃったら、ごめんね」程度で、暖かく見守るべきなんだと思います。今、この文章を読んでいる小さなお子様のお父さん、お母さんにとったら、さっぱり意味が分からない文章になっているかもしれませんが、おそらく、皆さまのお子様が、18歳ぐらいになれば分かってくることだと思います。私自身も、実はついさっきまで、入学式や成人式に行く気はこれっぽっちもありませんでした。しかし、先ほど、娘の着物の試着の写メがメールで送られてきたときには、さすがに、「なんとしても成人式にだけは潜り込んでやるぜ!」と心に強く誓い、なんなら2年後に町長にでもなって、訓示でも述べて成人式にでも侵入してやろうかと思ったぐらいです。でも、結局、それは子どものためには何のメリットもないことなので、やっぱり親は我慢することに向けて、努力する必要はあるんだと思います。

 最後に、これはコンサルタントっぽい発言になるかもしれませんが、親と子の接触頻度が多い状況は、今後も加速していくことは明らかなので、企業としての親子向けのイベントは、積極的に開催していったほうがいいと思います。また、これだけ親子の密度が濃厚ならば、思い切って入社式に親を招待してみるのも面白いかもしれません。親に入社式に参加してもらい、働く会社を理解させることは、今後の働き手の精神的なアフターフォローなどに直結していくと思います。そして、経営者としても、大事なお子様を預かるという認識を持ては、また人材の活用方法や接し方が、大きく変わってくるかもしれません。
 というわけで、親子の関係には、まだまだ面白いマーケティングのネタが眠っているようです。

著者/竹内謙礼

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