こんにちは。いろはの竹内です。
毎年、予測カレンダーを販売する12月の初旬に、
年に1回だけ「特別版」のメルマガを配信しています。
いつもとテイストの違ったテーマで、
少し長文になりますが、
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ネットショップが、世に出始めたばかりの2002年頃、
私には仲の良い友達が5人いました。
楽天の勉強会で知り合った同年代の経営者たちで、
いつしか切磋琢磨し合う仲間になり、
その後、メーリングリストを立ち上げて、
Eコマースの情報を交換し合うグループを作りました。
そして、当時、この中で私だけがサラリーマンでした。
友達の中には二代目の社長もいれば、起業家もいて、
メーリングリストに投稿される内容は、
いつも刺激的で、面白くて、めちゃくちゃ勉強になって、
私の知らなかった「ビジネス」
彼らとは、あれよあれよと5年の長い付き合いになり、
家族よりも一緒に語り合う時間が長いぐらいの間柄になって、
私にとってかけがえのない存在になっていきました。
今、こうやって自分が独立してコンサルタントになったのも、
彼らから刺激を受けたことが要因であることは、
そんなある日のこと、大きな転機を迎えます。
この5人のうち、2人が手を組んで、
私と同じ、コンサルタント業を始めました。
相談は一切なし。
自分たちの本業とは別に、
ネットショップにノウハウを教える、
最初に思ったのは「なぜ?」でした。
今、思えばですが、おそらくですけども、
私のやっていることが面白くなかったんだと思います。
メンバーの中で、格下とみていたサラリーマンだった私が、
起業して、本を出したり、
イラッとした思いが、どこかにあったんだと思います。
当時、まだネット業界に「コンサルタント」という存在が少なく、
起業したての私でも、それなりに仕事が取れていましたが、
経験も浅く、腕もなかったこともあってか、
資本力のある2人が参入してきたことによって、
あっという間に何人かのクライアントが離れていきました。
私は悩みました。
5人は私にとって大切な友達です。
怒って縁を切れば、ビジネスのノウハウは入らなくなるし、
何より自分を成長させてくれる刺激的な話が聞けなくなくなります
一方、友達といえども、今となっては競合の相手でもあり、
何より、断りもなく同業の仕事を始められたことが、
友達として許せないところがありました。
しかし、最終的に私は彼らと仲直りする道を選びました。
それが大人としての行動だと思ったし、
同業のビジネスを始めたことは悪いことでもなんでもなく、
自分が目の前の仕事を頑張ればいいだけの話ですから、
そんなことで目くじらを立てること自体が、
人間としての器が小さいことだと思ったんです。
その後、
改めて6人で東京に集まり、仲直りの食事会を開いてくれました。
「相談しなかったのは悪かった」
「いやいや、俺もこんなことで怒ってごめんね」
事件はあっけなく一件落着となりました。
で、その日の夜は東京のホテルに泊まり、就寝。
翌日、午前中の仕事をこなして、自宅に帰ろうと思った時、
突然、足が一歩も動かなくなってしまいました。
忘れもしない恵比寿駅の交差点。
ピタっと足が地面に張り付いた感じになって、
「あれ?」って思うぐらい、あっけなく、
足が踏み出せなくなってしまったのです。
だらだらと額から汗が流れ始めて、胸の動悸が激しくなり、
なんとか重たい足を引きずりながら、
嫌な予感がしました。
私はタクシーの中で、
「今すぐ、仕事を休め」
自分が精神的に大きなダメージを負っていることに気づくのに、
そう時間はかかりませんでした。
今回の一件で友達と「仲直りしなくてはいけない」
「仲直りはしたくない」
それが物事の解決と同時に、
汗だくになりながら、タクシーで東京駅にたどり着き、
電車に乗り込み、気を紛らわそうとしたのか、
なぜかその雑誌は一冊も読まず、
電車のトレイには意味もなく20回ぐらい駆け込み
帰りに薬局で睡眠導入剤を初めて買って、
目を泳がせながら、なんとか自宅にたどり着くことができました。
「どうしたの?」
私の変わり果てた姿に、出迎えた妻が心配そうな顔をしました。
「寝る」
一言だけ言って、すぐに布団にもぐり込みました。
次の日も、仕事のやる気は全く起きませんでした。
耳の中で「ゴーッ」という音が、ずっと鳴り続けています。
幸いにして、2週間ぐらい先の仕事は、
すべて日程を変更できるものばかりだったので、
私は知人のアドバイス通り、仕事から距離を置くことにしました。
そして、たまたま学校が夏休みということもあって、
当時、まだ小学生だった子供を連れて、
1週間ほど、北陸のほうに車で旅行に行くことにしました。
その時の家族旅行の記憶はほとんどありません。
ずっと助手席の妻に愚痴を言い続けました。
何度も何度も同じ話を繰り返す私に、
妻は「そうだね、そうだね」と頷きながら、
朝から晩まで、私のくだらない愚痴を聞き続けてくれました。
気が付けば、へんな耳鳴り音も聞こえなくなっていました。
旅行から帰ってきて、落ち着きを取り戻した私は
ひとつの結論を出しました。
「友達と仲直りしない」
もちろん、こんな些細なことで、
怒っていること自体が幼稚であることは自覚していました。
仲直りすることが、社会人として当然の行動であり、
仲直りすることが、一番ことを丸く収めることでもあるし、
仲直りすることが、大人の対応でもあることも理解していました。
でも、たぶん、それを認めてしまうと、
自分の心の中で「無理」をしてしまい、
結局、大きなストレスを抱え込むことになってしまうのです。
何より、ここで精神的に自分が壊れてしまうと、
家族を路頭に迷わすことになるので、
私の中で「友達と仲直りする」
だから、もう自分に嘘をついたり、
大人ぶってかっこつけたりするのはやめて、
『友達と仲直りしない、器の小さな自分を、一生懸命、
そういう気持ちに切り替えて、踏ん切りをつけるようにしました。
私は5人のメンバーがいるメーリングリストから抜け出し、
同業となった友達の携帯番号をスマホから消しました。
その友達と一緒に所属していた団体からも身を引いて、
完全に「一人」になることを選びました。
その時の喪失感と、虚しさは、今でも忘れていません。
それから一週間ぐらいは何も手につかず、
気力を振り絞って書き続けていたメルマガも、
その週だけは、とうとう書くことができませんでした。
2004年の起業した当初から、
休んだのは、後にも先にも、900回の配信の中で、
この1回だけです。
その後、共通の知人から、
「いい加減、仲直りしろよ」
「大人げないよ」
「悪いのはお前のほうだ」
と、いろいろ言われてきました。
でも、今もなお、その友達と仲直りしないまま、
2022年を迎えようとしています。
その友達が始めたコンサルタント会社は、
その後、長続きせず、すぐに解散したそうです。
私が抜けて、残り5人になったその経営者の仲間たちは、
今も仲良く付き合いが続いていると聞きました。
もし、あのまま仲直りしていれば、
今でも楽しく、ワイワイガヤガヤとやっていたかもしれません。
一方、あの時、仲のいい友達と離れたからこそ、
視野が広がり、別の世界の経営者と知り合うことができて、
仕事の幅が何倍にも広がったのも事実だったりします。
正直、未来のことなんて、誰も分かりません。
その時の選択が正しいのか、正しくないのかなんて、
当時の自分には、知る由もありません。
ただ、ひとつだけ言えることは、
「自分に嘘をつかない」
その選択を取ったことだけは、今も後悔していません。
それが世間一般の人から見たら、
常識外れで、バカで、トンチンカンなことだったとしても、
未来に向かって「自分に嘘をつかない」
後悔しない人生を歩むことができるんだと思います。
さてさて。
今年で14年目を迎える予測カレンダーも、
来週6日の月曜日をもって、予約販売が終了となります。
このカレンダーは、情報収集から販売まで、
すべて私一人で行っています。
まっすぐな自分の気持ちを精いっぱい詰め込んで、
今年も頑張って予測を立てさせていただきました。
少しでも、商売人のみなさんが、
自分の心に嘘をついて、心に負担がかからないように、
2022年を明るい未来を予測しましたので、
ぜひ、ご一読のほど、よろしくお願いします。
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