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  • 特別版/「予測」とは商売の「予防」である

こんにちは。いろはの竹内です。

さて、予測カレンダーを作り続けて今年で12年目。

何年もこのメルマガを読まれている方はご承知だと思いますが、

いつも、この年末のシーズンになると、

1年で1度だけ、メルマガのテイストを少し変えて、

ちょっと真面目な話を書かせてもらっています。

今年も、みなさんにお伝えしたい、

予測にまつわるお話をさせて頂ければと思いますので、

ちょっと長文のメルマガになりますが、

お付き合いしていただければと思います。

 


高校の頃に「ドンちゃん」という友達がいました。

野球部で、すごいガタイが大きくて、

あんまり高校時代に話したことはないんですが、

“ドンちゃん”という珍しいあだ名だったこともあって、

彼の存在はなんとなく知っていました。

そして、卒業して20年ぐらい経ってから、

ドンちゃんが千葉県の鎌ヶ谷市で

小さな居酒屋を始めたという情報を友達から聞きました。

僕はこの話を聞いたとき、めちゃくちゃ嬉しかったんですね。

なぜかというと、高校の同級生で、独立起業して商売を始めた友達 が

僕以外で初めてだったからです。

「応援しに行かなくては!」

よく分からない使命感に駆られて

すぐにドンちゃんの店に行きました。

でも、店の暖簾をくぐって気づいたんですが、

僕はドンちゃんと高校時代にほとんど話をしたことがありませんで した。

だから、僕のことを覚えていないかもしれないという

大きな不安に駆られてしまい、カウンター席に座りながら、

ドンちゃんに話しかけられなくなってしまいました。

当然、20年ぶりに会うわけですから、

ドンちゃんも僕のことを思い出せません。

「お客さん、どこから来たんですか?」

「あ、成田のほうです」

「そうですか」

「この、マグロ、美味しいですね」

「ありがとうございます」

確か、こんな会話しかしなかったと思います。

友達なのに、最初から最後まで自分の名前が言いだせず、

食事を終えて、そのまま店から出ていってしまいました。

その後、友人と一緒に、再びドンちゃんの店に行った時に、

自分が以前、名乗らずに店に来たことを伝えると、

「ちゃんと名乗れよ!」

と、ドンちゃんは照れ臭そうに僕に言ってきました。

それからというもの、仕事帰りに、

ドンちゃんの店によく立ち寄るようになりました。

自宅への帰り道の駅ではないので、

年に数回ぐらいしか行けませんでしたが、

行った時には、同級生がお酒を飲めるように、

必ず何本もボトルを入れていきました。

また、カウンター席で他のお客さんと仲良くなったりすると、

景気よく奢ったりしていました。

僕としては、とにかくドンちゃんを応援してあげたかったんです。

高校の同級生の中で、数少ない起業した友達の一人だったので、

それを応援することが、僕の生きがいでもあったんです。

「俺も頑張るから、ドンちゃんも頑張れ!」

そんな勝手すぎるエールを送ることが、楽しかったんです。

その後、ドンちゃんのお店が、

鎌ヶ谷市内で行われたB級グルメのコンテストで

1位を獲得した話を聞きました。

しかも4年連続で優勝!

「そんな面白い話を、なぜ今まで俺に教えないんだ!」

僕は冗談半分で怒りながら、早速、日経MJのコラムで、

ドンちゃんのお店を取材することにしました。

同級生を取材するというのは、とても照れくさくて、

しどろもどろになりながら取材したことを、今でも覚えています。

それから数週間後、日経MJに記事が掲載されたので、

僕はドンちゃんの喜ぶ顔が見たくて、

直接、お店に日経MJを持っていきました。

でも、ドンちゃんは「あんがとね」と一言だけ言って、

そのまま厨房でコツコツと作業を始めてしまいました。

「あれ? あんまり嬉しくないのかな?」

と、一瞬、思ったんですが、

もともと口数が少なく、照れ屋さんだったこともあって、

僕の中では、友達のお店を応援することができたという、

自己満足的な思いで、その場は終わりました。

そして、時は流れて、今年の年末。

僕はいつものように、年末の予測カレンダーの制作に追われて、

11月から多忙な生活を送っていました。

カレンダーの制作が佳境に入ったころで、

友達から、生ビールの写真が添付されたメッセージが送られてきま した。

「今、ドンちゃんの店にいるんだよ」

おおおっ、行きてぇ!

なんて残酷な写真を送ってくるんだ!

ドンちゃんのお店のマグロが早く食べてぇ!

そう思いながらも、

予測カレンダーの制作がまったく終わる状況ではなかったので、

そのメールはスルーすることにしました。

僕はその時、思ったんですね。

「また今度、呑みに行けばいい」って。

いつでも行けるんですから。

「今、行かなくてもいい」って思ったんです。

でも、それから1週間後。

「ドンちゃん、亡くなったって」

一週間前に生ビールの写真を送ってくれた友達から、

そんなメッセージが届きました。

「は? 何言ってんの?」

お前、先週、ドンちゃんの店に行って飲んでたじゃん!

死ぬわけないだろ!!

でも、友達は言葉に詰まらせながら、

一言「本当なんだよ」と言いました。

ドンちゃんは館山に一人で釣りに行って、

釣り場で心筋梗塞で倒れてしまって、

運悪く海に落ちてしまい、亡くなったとのこと。

予測カレンダーを制作している真っ最中に、

そんな予測もできないような出来事が、

僕の友達の身に起きてしまったんです。

ちょっと、ドンちゃん、待ってくれよ。

俺、これからどこの店に飲みに行けばいいんだよ。

まだボトルも3本ぐらい入れているだろ。

それに、誰が俺の愚痴を聞いてくれるんだよ。

どうしてくれるんだよ。

年末に飲みに行く店なくなったじゃん!

しばらく、僕は、

「なにやってんだよ、ドンちゃん」

というのが独り言になっていました。

そして、お通夜の日。

最後にドンちゃんの顔だけは見たかったので、

なんとかその日の仕事を終わらせて、

斎場に行くことができました。

遅い時間だったので、高校の友達は誰もいませんでした。

祭壇には、ドンちゃんの写真が飾られていて、

そばでは親族の人が泣いていました。

棺の中のドンちゃんの顔を見たところ、

心筋梗塞を起こしてから海に落ちたので、

水をほとんど飲んでいなかったこともあって、

本当にやすらかな顔をしていました。

出口に出ると、ドンちゃんの生前の頃の写真が、

たくさん飾られていました。

地元の野球チームのコーチをやっていたらしく、

楽しそうに野球をやっているドンちゃんの写真が

いっぱい飾られていました。

なにげなく飾られていた写真を眺めていると、

下のほうに、小さなコルクボードがあって、

そこにはドンちゃんの店が、地元のローカル誌で紹介された記事が 、

ペタペタと貼られていました。

そして、その1枚に、

僕の書いた日経MJの記事が貼られていたんです。

大事そうに、丁寧に切り抜きされて、

横に細長い記事だから、新聞紙がよれてしまっていたけど、

間違いなく、僕の名前の入った、

ドンちゃんのお店を紹介した日経MJの記事でした。

ドンちゃん。

記事が載った時に嬉しかったら嬉しかったで

生きてる時に言えよ。

それは、ダメだよ。

泣いちゃうじゃん、我慢してたのに。

僕よりもっと近い人のほうが、

ずっとずっと悲しい思いをしているので、

その場で涙が出るのをぐっとこらえて、斎場を後にしました。

たぶん、天国にいるドンちゃんは、

気遣いの人だから、

「ケンレイ、ごめんよ、忙しい時に来てもらって」

とか、言っているんでしょうね。

帰り道、車を運転しながら、ドンちゃんの声も聞こえないのに、

「本当に忙しいんだよ!」

と、大きな声で怒鳴りながら、

そして、わんわん泣きながら、ハンドルを握り続けました。

そんな不安定な精神状態の中、

ぎりぎり印刷所の締め切りに間に合って、

なんとか予測カレンダーを完成させることができました。

でも、本当に今年の予測カレンダーの制作に限っては、

葛藤が物凄くありました。

予測を立てる仕事をしながら、

予測もしていなかった出来事が起きたので、

本当に「予測」なんて、生きている上で必要なのかと、

何度も何度も自問自答しました。

でも、悩んで、悩んで、気力を振り絞って、

なんとか予測カレンダーが完成したときに、

「『予測』というのは、商売の『予防』なんだ』

そういう結論に達しました。

人間ドックに言って身体を検査することも、

脳ドックに行って脳をスキャニングすることも、

「予防」と言う名の「予測」なんです。

未来に起こることは誰にも分かりません。

だけど、周りの人を悲しませないためにも、

僕らは自分の身体はもちろん、

商売も「予防」し続けなければいけないんです。

さてさて。

未来を予測することは誰にもできません。

そんなの百も承知です。

でも、過去から未来を作り上げることはできます。

だから、僕は懲りずに、

たぶん、来年も、そして再来年も、

未来を予測し続けると思います。

そう、全力で今を生きるためにも。

2019年の予測カレンダー
https://e-iroha.com/calendar2019/

著者/竹内謙礼

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