経営コンサルタントの竹内謙礼の公式ブログ。

  1. 竹内謙礼の公式メルマガ
  2. 88 view

「偽装問題」は、なぜ繰り返し起きるのか?

さて、冒頭からいきなり下世話な芸能ネタで恐縮なんですが、
今、いろいろな意味で話題の
「チャゲ&アスカ」という男性デュオがありますよね。

このユニットの名前をウキペディアで調べたところ、

  • チャゲ&飛鳥(1979年 – 1988年)
  • CHAGE&ASUKA(1989年 – 1990年)
  • CHAGE&ASKA(1990年 – 2000年)
  • CHAGE and ASKA(2001年 – )

と、実はネーミングで、ものすごいマイナーチェンジを繰り返しているんですね。

「ASUKA」を「ASKA」にしてみたり、
「&」を「and」にしてみたり、

おそらく、この二人の間に、ユニット名に関する
いろいろな話し合いがあったんでしょうね。
ちょっと想像してみたんですが…… 

A:「俺、今度、自分のASUKAの“U”の字を取ろうと思ってんだよね」

C:「ふーん」

 

A:「俺、今度、“&”を思い切って“and”にしようと思うんだけど」

C:「ふーん」

 

……この会話の時点で、
何か微妙な変化に気づくところがあったのかもしれませんね(ねーよ)。 

ということで、久しぶりに芸能ネタで書き出した、今回のメルマガですが、
本日のネタは、

「偽装」

についてのお話です。

ちょっとドキっとした人、いるんじゃないですか?

偽装はなぜ起きるのか?

さて、私、今現在、飲食店のメニュー作りの本を書いています。
その関係で、昨年の暮れに相次いで発覚したホテルやレストランの、
食材の偽装事件の記事を読み返しているところなんですね。 

で、いろいろ検証してみたんですが、

この偽装問題は、もしかしたら、私達の身の回りでも簡単に起きてしまうような、
とっても身近な事件ではないかと改めて思いました。

この問題の根深いところは、

当事者は「そんなに悪いことをしていない」と思ってしまっているところなんです。

もし、本当に「悪いことをしている」という意識があれば、
これだけの人数の組織がやらかしたことすから、
もっと早い段階で、外部に情報がリークされていたはずです。

しかし、ほとんどのホテルやレストランが、
今回の偽装問題に関しては、「自主発表」によって問題が世間に明るみになりました。

また、偽装の内容を見ても、そんなにギャップが大きな食材を使ったわけでもなく、
中には「そんなに差がないんじゃん?」というものが、
結構、目に付いたところがありました。 

でも、お客さんに対してウソをついてたのは事実ですし、
これらのホテルやレストランが、社会の倫理観から大きくズレてしまったのは、
言い訳のしようがありません。

むしろ、「偽装が悪いことだ」ということに、気づかない組織ができてしまったことに、
この問題は根深いものがあるのではないかと思います。

では、なぜ、組織の中で「倫理観」がなくなってしまったのでしょうか?

それは、『倫理観のフェーディング』という現象が起きてしまったからなんです。 

最初は「悪いことだ」と思っていても、
そのような倫理観は、時間とともに薄れていってしまいます。

やがて、事実確認の意識も薄れていってしまい、
事実と異なる食材の原料原産地、銘柄や調理法がメニューに記載されても気にならなくなっていきます。

そこに現場のスタッフやアルバイトが入れ替わってしまい、
食材変更の理由を知る人がいなくなると、
さらにメニューやラベルの記載が偽装であることにすら、スタッフは気づかなくなります。 

このように、最初はちょっとした「悪いこと」でも、
時間の経過と組織の変貌によって、
いつのまにか倫理観というのは失ってしまうものなのです。

いいですか?

商売というのは、常に罪深いものです。

「原価」という仕入れ値に「利益」を乗せている時点で、
人からお金を余計に搾取しているわけですから、
本当に相手と対等に取引をするのであれば、

極論を言ってしまえば、「原価」で仕入れて「原価」で売ってあげるのが筋といえます。

100円で仕入れたものを120円で売った時点で、
20円の「付加価値」という名の“欲”を乗せているのですから、
これほど、罪深い行動はないといってもいいと思います。 

しかし、そのような罪深い行動であるからこそ、
商売人としての“正義”は貫き通さなければいけないのです。

倫理観をもって、お客さんに正々堂々と商売をして、
“欲”で乗せた「利益」のぶん、お客さんに満足してもらう商品やサービスを、
商売人は魂を込めて提供していかなくてはいけません。

さてさて、みなさんの会社にも、
いつの間にか『倫理観のフェーデイング』が起きていることはありませんか?

そもそも「商売」なので、まっさらにキレイなことだけをしろとは言いません。
でも、せめて、世間様に後ろ指は刺されない程度の倫理観はもっていなければ、
いつかはお金の恨みを買って、手痛いしっぺ返しを食らうことになりますよ。 

その倫理観をしっかり心に刻んでおけば、
いつのまにか偽装を起こしてしまった組織でも、
またすぐに元に戻る復元力を持った強い会社になりますからね。 

■「アマゾン」と戦う方法を教えます!

【7月31日】 一次募集開始!
これからのお店は「Amazon」にできないことをやって儲けなさい
http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201405/D41140731010.html

編集後記

さて、そんな「メニュー表示偽装問題」だったんですが、
指摘された中には、逆に「それはちょっと可愛そうだろ」というものも、
いくつかありました。

例えば、

「『おふくろの味』といって、実は中年の男性シェフが作っていた」
という偽装も問題になったようです。

うーん、これは偽装になるんですかねぇ?

そもそも、「おふくろ」はお客さんのお母さんではありませんからね。
さらに、

「ステラおばさんのクッキーは、実は『ステラおばさん』が作っていない」

という指摘もありました。
ええ、ステラさんが作っているはずがありませんよね。

もっとエスカレートすると、

「『ごはんですよ』は、実はごはんじゃない」

 

……もう、ここまできたら、偽装だかなんだか、さっぱり分かりませんよね。

 

ということで、現在執筆中の飲食店本は、
夏ごろに発売予定となっております!

飲食店だけではなく、食材関連を取り扱う全ての人に使えるような、
そんな面白い内容になっていますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!

■7月31日は大阪に集合!

海外の新規ビジネス情報から、ブランディング戦略の話まで完全網羅

一次募集開始! 満員になり次第受付終了
これからのお店は「Amazon」にできないことをやって儲けなさい
http://www.osaka.cci.or.jp/event/seminar/201405/D41140731010.html

竹内謙礼の公式メルマガの最近記事

  1. なぜ、社員は「3年目」と「8年目」で辞めるのか?

  2. 「安売り」という病気を完治させる方法

  3. ド田舎の古民家カフェにお客が殺到する理由

  4. なぜ、人はホリエモンの話をすぐに信じるのか?

  5. 「裸の王様」が国民を幸せにした理由

関連記事

楽天市場等のネットビジネスで
多くの受賞履歴
あり。

大企業、中小企業問わず、実店舗ビジネス、ネットビジネスのアドバイスを行なう経営コンサルタント。有限会社いろは代表取締役。大学卒業後、雑誌編集者を経て観光牧場の企画広報に携わる。楽天市場等で数多くの優秀賞を受賞。現在は雑誌や新聞に連載を持つ傍ら、全国の商工会議所や企業等でセミナー活動を行い、「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、多くの経営者や起業家に対して低料金の会員制コンサルティング事業を積極的に行っている。特にキャッチコピーによる販促戦略、ネットビジネスのコンサルティングには、多くの実績を持つ。著書に『売り上げがドカンとあがるキャッチコピーの作り方』(日本経済新聞社)、『御社のホームページがダメな理由』(中経出版)、「会計天国」(PHP研究所)ほか、多数。
竹内謙礼の無料動画セミナー 女子大生の看板サンプルブログ 羽沢横浜国大駅のブログ
経営コンサルトによる記事を検索してご覧頂けます!
アーカイブ
PAGE TOP